私の仕事は、相続の関係で愛する人をなくした、遺族の方がよく来られます。
銀行に勤めていると、死亡保険金の手続きや、貯金、国債の相続の関係で奥様やダンナ様、それから早くにお子さんを無くされたなど遺族のかたが手続きにこられます。
グリーフケアとは
配偶者や子ども、親などの家族、親しい友人などと死別した人がおちいる、複雑な想いや感情を分かち合い、深い悲しみから精神的に立ちなおり、社会に適応できるように支援することをいいます。
グリーフ(grief)は深い悲しみや悲嘆を意味し、英語で悲嘆ケアや遺族ケア(bereavement care)ともよびます。
①ショック期
②喪失期
③閉じこもり期
④再生期間
一つずつ受け止めてあげることが重要です。
みなさん気丈に振舞っていらっしゃいますが、家族を亡くした方にとって、相続の手続きは、思っている以上に精神的な負担が大きいものです。
銀行員として、心からお悔やみ申し上げます。
このグリーフケアはまだ全銀行には浸透しておらず、悪気のない言葉が遺族を傷つけてしまうこともあります。
「どうして亡くなったのですか?」
「死亡の手続きですね」
「早く忘れて次の恋人(子ども等)作りなさい」
「あなたがいつまでもクヨクヨしていたら成仏できないよ」
銀行に限らず
親戚や親からの言葉
病院の退院時や支払いの時
役所での手続き
銀行相続
通っている学校や職場など。
そのいろんな場所で、気が付かず遺族を傷つけてしまうことがあります。
全て悪気のない言葉です。励まそうとするときに言いがちです。
その言葉は、遺族を傷つけてしまうこともあります。
それから、本人も気が付かない次のような症状がでます。
外に出たくなくなる
記憶力の低下
気持ちが落ち込む
突然涙が出てくる
ぼーっとしてしまう
眠れなくなる
愛する人を失った悲しみはその人にしかわからない痛みです
日本ではまだ聞きなれない言葉ですが、こういったグリーフケアは今後さまざまな場所で浸透していかなければなりません。
周囲がグリーフケアを行う場合は、一方的にはげますのではなく、苦しんでいることを認め、そっと相手に寄り添うことを目標にしましょう。
深く介入しすぎると、逆効果になることもあるからです。
特に、身近な人が悲嘆に暮れている場合、心配のあまり
「何か食べたほうがいい」
「そんなに泣いても、もうあの人は戻ってこない」
と前向きな声掛けをしてしまいがちなので気を付けましょう。
「食べなくてはいけない」「泣いてはいけない」と思うことは、プレッシャーをかけることや悲しみを押し殺すこともあります。
相手の状態によっては、どんな声掛けをすればいいか戸惑うこともあるかもしれませんが、グリーフケアの原則は相手に感情を吐き出してもらうことです。
まずは本人が感情に逆らわず、泣きたいときは泣き、とことん落ち込んで過ごせるようにしてあげましょう
日本人は、周囲の目を気にするあまり、悲しみを外へ吐き出すということがなかなかできません。
それは恥でも甘えでもなく、ごく自然な感情です
自分の体を大切にする
十分な休息をとり無理のない運動をし、少しずつ栄養をとりましょう。
食べる気がしないなら、少なくとも食欲 がもどるまでは,3 度の食事のかわりに1日何回かに分けて健康的な軽食をとるように。
お酒やスナック菓子 類で悲しみを紛らわせることがないよう にしてくださいね。
体調をくずしてしまうことも。
故人をしのび、悲しみに浸るというのは、自分自身の新たな一歩を踏み出すために必要なことです。
無理に自分の感情を抑えようとせず、十分に悲しむ時間を作ること
故人と遺族の繋がりをむやみに断ち切ることはしなくていいのです
それが、大切な人の死を受け入れ、乗り越える唯一の手段なのです